アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 4 “Het Bajes Kwartier(バイエスクォーター)”

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 4 “Het Bajes Kwartier(バイエスクォーター)”

Sponsored Links 前回ご紹介したHet Amstelkwartier(アムステルクォーター)に隣接する新開発エリアになります。 この Het Bajes Kwartier(バイエスクォーター)は元刑務所跡地に建設されるということでも注目されています。 Bajes Kwartier(バイエスクォーター)はアムステルダム南東部のアムステル駅付近の開発地区で、アムステルダム中心部からは自転車で約15分、またアムステルダム南部地区のオフィス街エリア(Zuidas)やOost(アムステルダム東部地区)にあるサイエンスパークへも同様の距離。 BIjlmerbajes(ベイルマーバイエス) BIjlmerbajes(ベイルマーバイエス)は1978年から2016年6月1日まで使用されていた高層刑務所跡地で、アムステルダムのランドマークとしても知られている。 ややこしい名前だがBIjlmerbajes(ベイルマーバイエス)はBilmer(ベイルマー)ではなくOveramstel(オーバーアムステル)にある。正式名称ではPenitentiary Amsterdam Over-Amstel(PIA-OA)となっている。 アムステルダム中心部の住宅供給不足を解決するため、アムステルダムが南北に拡大されるにつれ、この刑務所跡地が地理的に新都市開発エリアの中心となり、BIjlmerbajes(ベイルマーバイエス)は付近住民が集うカルチャースペースに開発されることになっている。 現在は多くの移民や難民向けに将来社会で活躍できるためのワークショップや言語クラスなども行われている。2018年3月よりLola Lik社からBajes Kwartier BVへ所有が変わっているが、Lola Lik社によって運営されていたMOVEMENT HOTEL(ムーブメント・ホテル)やレストランなどはそのまま継続されている。 Het Bajes Kwartier(バイエスクォーター)開発計画概要 Bajes Kwartier(バイエスクォーター)はOMA、LOLA Landscape Architects社、FABRICation社の3社より計画され、アムステルダムの不動産開発会社AM社が8,4億ユーロでこの土地を買収した。 この7.5ヘクタールの敷地に延べ床面積135000平方メートルの建物が建設され、”Bajes Kwartier(バイエスクォーター)”という呼称となる。 2018年3月にBajes Kwartier BVへBijlmerbajesの所有権が移り、2018年9月から刑務所棟一部の解体が開始され、2019年1月から施工開始となる。居住開始は2021年、2023年にプロジェクト完了予定となっている。 規模は住戸数1,350。販売物件と賃貸共に作られる。うち約30%は家賃が比較的抑えられたソーシャルハウジングのセクターとなる。 高層刑務所棟の6棟のうち1棟の元刑務所は解体され、グリーンタワーとして生まれ変わる。ここはオランダの最新農業技術が融合されたバーチカルパークとなる。 BIjlmerbajes(ベイルマーバイエス)中心に位置する元管理棟はアートやデザインセンターに作り変えられる。他にもレストランやヘルスセンター、教育施設、公園、地下駐車場なども開発計画に含まれている。 サーキュラーエコノミーのモデル都市 Bajes Kwartier(バイエスクォーター)はサスティナビリティー(持続可能な社会)と環境への影響をゼロにすることを大きな課題としているため、建物や公共スペースはデザインの段階からエナジーフリーとなるよう設計されている。 刑務所跡地解体後のコンクリートや素材など約98%は再利用されることになっている。監房で使用されていたドアやバーは橋の一部として再利用されることにもなっている。 このエリアに建設される建物に供給されるエネルギーは、主にこのエリアでソーラーと風力で作られることになっている。蓄えられたエネルギーは電動自動車、街頭などにも使われる。また近隣のデータセンターで発生する熱を住居の温熱システムとしても再利用される。 これらの技術によりBajes Kwartier(バイエスクォーター)全エリアへ温熱の供給が可能となるためここでもガスは使用されない。オランダは2050年までに全土で撤廃となる件は以前の記事でもお伝えしています。 Bajes Kwartier(バイエスクォーター)では雨水をグリーンタワーを中心とする緑化された各建物のルーフで集められ、さらに浄化された上でこのエリアに提供される。また、周辺環境の空気を綺麗にするために緑を豊富にするだけでなく、自動車の往来も極力削減されることになっている。 住居や各施設などから排出されるゴミはバイオガスとして地熱システムの供給にも使用される。 これらの最新建築技術が投入されるBajes Kwartier(バイエスクォーター)ではサスティナブルエナジーや素材のリユースなど試験的なエリアとなり、アムステルダムでサーキュラーエコノミーを象徴するモデル都市となる。   Sponsored Links

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 3 “Het Amstelkwartier(アムステルクォーター)”

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 3 “Het Amstelkwartier(アムステルクォーター)”

Sponsored Links Amstel(アムステル川) Amstel(アムステル川)は南ホラント州からアムステルダム中心部の各運河へ接続しアイ湾へと流入する全長31kmの川で、アムステルダムの語源にもなったことでも知られています。 今回はアムステルダムの南東部、アムステル川沿いのDe Omval(デ・オンヴァル)地区に開発されるエリア、Het Amstelkwartier(アムステルクォーター)をご紹介します。   ユトレヒトやロッテルダム方面へ連絡するアムステル駅やPHILIPSの本社ビルが建つアムステルビジネスパークがあるこのエリアは近年高層マンションも建設されており急速に開発が進んでいます。 アムステルクォーターは、デ・オンヴァルを南北に走るSpaklerweg(スパクラー通り)の西側から南はDuivendrecht(ダイフェンドレヒト)までのアムステル川に囲まれた自然環境豊かな街の建設が計画されています。   旧南部ガス工場跡地 (Zuidergasfabriek) ここには1909年から1967年までガス工場があった場所で、工場跡地に残る6棟の建造物は記念建造物として保護されており、今後は住居としても使用されることになる。開発に先駆け2015年から1年間かけて工場跡地の土壌汚染対策も行われた。   Het Amstelkwartier(アムステルクォーター)開発計画概要 工事期間は2005年から2020頃までとなり、3300戸の住居に学校や公園に小さな港、その他ホテルやレストラン、ケータリング向けのビジネスエリアなども建設予定となっている。 第1フェーズは既に一部完了しており、住居数1500戸や学校施設、Somerlust公園が作られています。 2018年中頃開始の第2フェーズでは、住宅数1500戸、ショッピングセンター、学校施設などの建築や公園の整備も行われることになっており、住宅のセグメンテーションはソーシャルハウジング40%、高級住宅20%、一般住宅40%に分けられます。 セントラル駅まではメトロSpaklerweg(スパクラー通り)駅から51, 53, 54番で所要時間は8分。 アムステルクォーターから西側はアムステル川が広がり視界が遮られないため開放的な街になりそうです。   以下は完成予想イメージ

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 2 “IJburg(エイブルグ) phase 2”

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 2 “IJburg(エイブルグ) phase 2”

IJburg(エイブルグ) IJburgはアムステルダム東部の IJmeerにある、住戸数18000戸に45000人が住む世界最大の人口の浮かぶ島で、 IJburgとして都市開発が始まる90年代頃まではNieuw-Oostと呼ばれていたエリアです。 ここには以前の記事でも紹介した、水上に浮かぶ家があるエリアがあることで注目されていますが、アムステルダムに昔から住んでいる地元の人よりも、海外から来た起業家などによく知られているようです。 Blijburgという小さなビーチには唯一のカフェレストランがあり私が訪れた日は週末ということもあり家族連れで賑わっていました。またIJburgプロジェクトの説明会が開催されていたこともあり開発計画の打合せをする人も多く見られた。   IJbrug Project IJburgプロジェクトは合計6つの人口島で構成される、住戸数18000戸、人口45000人規模の開発計画。 2002年に初めの居住者21,000人が移り、すでにここで生活をしている。 2010年以降アムステルダムでの人口急増により一時中断していた開発計画が再度進められている。 このIJburgのプロジェクトは2段階に分かれており、第1フェーズがSteigereilandとHaveneilandで現段階で総戸数9200のうち8000戸程が建設されている。 2017年より開発が進められている第2フェーズは、はじめにCentrumeilandとMiddeneiland、後にBuiteneiland, Strandeilandが順次作られることとなっている。2025年頃の完成時には、IJburgはアムステルダム新規開発エリアの中で最大級の規模となる。 IJbrug Phase 2 Centrumeiland 第2フェーズはCentrumeilandから進められ、次にMiddeneilandとなり2018年着工が開始される。 ここにはIJburgの中心部となるため住宅の他にも学校や店舗なども多く建設される予定となっている。 この地域には熱や冷却熱を地下に蓄え、夏は涼しく冬は暖かくなるよう環境に配慮したエコシステムも整備される。 さらに可能な限り自動車の台数も減らすため路上駐車場の数も制限される。 住宅は1300戸建設予定となっているが、70%がDIYセクションに設定されており、自由度の高い建築物が建てられる。ソーシャルハウジングは20%程度となる。 Middeneiland 2018年中頃より土地の造成が始まり、2021年から2026年にかけて住宅などの建設が行われる。 Middeneilandには建設初期段階に自然環境がつくられるため、初期段階の居住者も緑に囲まれた生活を送れるようになるようです。現在は、地元の居住者やステークホルダーなどの協力を得ながら協議を進めており、2018年中にはおおむね決定されることになっている。 計画区域は80ヘクタール、総戸数は600戸。  

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 1 “Het Hamerkwartier(ハーメルクォーター)”

アムステルダム 新開発エリア特集 Vol. 1 “Het Hamerkwartier(ハーメルクォーター)”

移住者の急増にともない住宅供給不足が続くアムステルダムでは市街地の拡大が進められています。 ここでは将来アムステルダムに誕生する街が誕生する開発計画区域を紹介します。 Amsterdam Noord(アムステルダム・ノールト) アムステルダムの中でも今後の発展が期待されるエリアでも特に注目のAmsterdam-Noord(アムステルダム・ノールト)。 現在建設中のメトロNoord/Zuid線(2018年7月開通予定)でセントラルへ直結するため交通の便も良くなります。               ただ、Noordでこれから盛り上がりそうなエリアはメトロ沿線だけではないようです。   Het Hamerkwartier(ハーメルクォーター) セントラル駅からフェリーで渡れるIJpleinから少し北へ進んだ辺りに交差するHamerstraat(ハーメル通り)。 この辺りは19世紀から1980年代半ばまで造船所や金属加工など多くの工場が密集していた産業エリアで、ここに2020年から2040年にかけて大規模な開発計画が進められHet Hamerkwartier(ハーメルクォーター)と呼ばれる街が作られます。     1980~90年代にかけ、この辺りにあった運送会社などが撤退して以降、GSUSやPand Noordなど様々な業種の新しい企業、またカフェやレストランなどが集まりクリエイティブなエリアに変貌を遂げている。 約500㎡の開発区域には6700戸もの集合アパートや60mの高層アパートから構成される住宅、総面積22万㎡の商業エリアには学校や介護施設、レストランやカフェなど、その他文化施設などが建設予定になっている。 住居はソーシャルハウジングや中間層向けの賃貸及び購入物件、また高所得者向け物件など様々な収入層やセグメントへ対応する。同市のサステナビリティ推進計画によりこの地域もガスを使用しない環境に配慮される。             この辺りは自転車道や歩道などインフラも再整備される予定で、フェリー乗り場のSixhavenからJavaアイランドまで橋が建設されるため自転車でセントラルまで行けるようになります。 Noordのこの辺りがセントラルと繋がってしまえば、2040年頃のアムステルダムでは位置的にほぼ中心になるため今後の大きな可能性がありそうです。